長女が来年から幼稚園に上がる準備を進めていると、ふと「この子が大学を出るまでに、教育費って全部でいくらかかるんだろう」と考え込んでしまうことがあります。
第二子も計画しているので、なおさらです。暮らし系のYouTubeやVoicyで「教育費1,000万円」という数字を耳にするたびに、漠然とした不安だけが膨らんでいく——同じように感じている30代の方は、きっと少なくないと思います。
でも、不安の正体は「金額がぼんやりしていること」だと、私は感じています。いつ・いくら必要かが見えれば、必要以上に焦らずに準備を進められるはずです。この記事では、私自身が家計を整理するために調べた教育費の目安を進路別の表でまとめ、そのうえで無理のない備え方の考え方を整理してお伝えします。
この記事でわかること
✔ 子ども1人にかかる教育費の目安(幼稚園〜大学・進路別)
✔ 「総額」ではなく「いつ・いくら」で逆算する考え方
✔ 教育費はどんなお金で備えるのが安心か(流動性の整理)
✔ 老後資金と教育費を取り違えないための役割分担
✔ 焦らず始められる、備えの第一歩
子ども1人の教育費、進路別の目安はいくら?
まず、いちばん知りたい「総額の目安」から見ていきます。文部科学省の「子供の学習費調査」や日本政策金融公庫の調査などをもとに、幼稚園から大学卒業までを進路別にざっくり整理すると、次のようになります。
| すべて公立 | すべて私立 | |
|---|---|---|
| 幼稚園(3年) | 約70万円 | 約160万円 |
| 小学校(6年) | 約210万円 | 約1,000万円 |
| 中学校(3年) | 約160万円 | 約430万円 |
| 高校(3年) | 約150万円 | 約320万円 |
| 大学(4年・文系) | 約260万円(国立) | 約400万円 |
| 合計の目安 | 約850万円 | 約2,300万円 |
※各種公的調査をもとにした概算の目安です。学校外活動費(塾・習い事)や住む地域、私立大学の理系・医歯系などで大きく変わります。
こうして並べてみると、「すべて公立」でも約850万円、進路によっては2,000万円を超えることもあるとわかります。数字だけ見ると確かに大きいのですが、ここで覚えておきたいのは、これは18年以上かけて少しずつ払っていくお金だということです。一度に用意するわけではありません。
そして、もうひとつ大切なポイントがあります。教育費の負担は毎年フラットにかかるわけではないのです。次の項目で、その「山」を見ていきます。
不安の正体は「総額」じゃなく「いつ・いくら」
教育費を「総額○○万円」とひとかたまりで捉えると、どうしても不安が大きくなります。でも実際は、負担が重くなる時期はある程度決まっています。表を見てもわかるとおり、いちばんの山場は大学進学のタイミングです。
- 幼稚園〜中学校までは、月々の家計でまかなえる範囲が中心。給食費や習い事など毎月の支出が中心で、まとまった大金が一度に出ていくわけではありません。この時期は「貯める力」を蓄える期間と捉えられます。
- 高校はやや負担が増える。授業料の無償化制度(就学支援金など)もありますが、世帯年収や私立かどうかで変わります。
- 最大の山は大学の入学時。初年度に入学金+授業料+仕送り準備などが重なり、一度に数十万〜100万円超が必要になることもあります。ここに向けて計画的に準備しておくことが、教育費対策の中心になると私は考えています。
つまり、漠然と「1,000万円ためなきゃ」と焦るより、「長女が18歳になる頃までに、大学の初年度費用としていくら準備しておくか」と逆算したほうが、ぐっと現実的になります。我が家の場合、長女は5歳なので、大学入学まではあと13年ほど。この13年という時間こそが、いちばんの味方になってくれます。
教育費は「どんなお金」で備えるのが安心?
備え方を考えるとき、私がいちばん意識しているのが「いつ使うお金か」で置き場所を分けるという考え方です。お金には、すぐ使うもの・数年後に使うもの・当面使わないものがあり、それぞれ向いている置き場所が違うからです。
両学長のVoicyでも繰り返し語られている「貯める・守る・増やす」の整理に近いのですが、教育費に当てはめると次のように整理できます。
| お金の性格 | 使う時期 | 向いている置き場所 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金 | もしもの時にすぐ | 預貯金(現金) |
| 近い教育費(〜5年) | 数年以内 | 預貯金・元本変動の小さいもの |
| 遠い教育費(10年以上先) | 大学進学など | NISA等での長期運用も選択肢 |
| 老後資金 | 60代以降 | iDeCo・NISA |
ポイントは、数年以内に使う教育費を、値動きのある投資にすべて回さないことだと考えています。たとえば3年後の入学金を全額株式で運用していると、ちょうど使いたい時に相場が下がっていて元本割れ、ということも起こり得ます。近い教育費は、いつでも引き出せて元本の動きが小さい預貯金などで確保しておくのが安心です。
一方で、10年以上先に使う大学費用のように時間に余裕がある部分は、長期・積立・分散を前提にNISAなどでコツコツ準備するという見方もできます。時間を味方につけられるのが、若いうちから始める最大の利点だと感じています。
役割分担で考える、我が家の備え方
では具体的にどう組み立てるか。我が家で整理した「役割分担」の考え方を、一例としてご紹介します。あくまで一つの考え方で、正解は家庭ごとに違うことを前提に読んでいただけたらと思います。
備えの役割分担(一例)
① まず生活防衛資金(生活費の数か月分)を現金で確保
② 数年以内に使う近い教育費は、元本の動きが小さい預貯金で確保
③ 大学費用など遠い教育費は、NISAで長期・積立・分散
④ 老後資金は、節税メリットのあるiDeCoで別建てに
⑤ 配当・成長を狙う一部資金は、成長投資枠で少額から
老後資金はiDeCoで「教育費と混ぜない」
教育費の準備で意外と大切なのが、老後資金と教育費を取り違えないことだと感じています。教育費に追われて老後の備えが後回しになる、あるいは逆に老後資金を取り崩して教育費に充てる——どちらも避けたいところです。
そこで役立つのがiDeCo(個人型確定拠出年金)です。iDeCoは原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金が全額所得控除になり、毎年の所得税・住民税が軽くなる仕組みです。「引き出せない」という制約は教育費には不向きですが、裏を返せば老後資金を確実に別枠で積み立てられるということ。教育費とは口座も目的も分けて、老後の安心を着実に育てられます。
私自身がiDeCoの口座を選ぶときは、長く付き合う制度だからこそ手数料を重視しました。運営管理手数料が誰でも0円で、低コストの投資信託がそろっている松井証券は、無理なく続けやすい選択肢の一つだと感じています。iDeCoとNISA、教育費と老後資金を役割分担させることで、家計全体がぐっと整理しやすくなります。
配当・成長を狙う一部資金は成長投資枠で少額から
家計に少し余裕が出てきたら、NISAの成長投資枠を使って、配当株や成長株に少額から触れてみるのも一つの選択肢です。私自身、配当株には以前から興味があり、「受け取った配当を再び教育費の積立に回す」という小さな循環をいつか作れたら、と考えています。
ただし株式投資は元本が保証されていません。あくまで生活防衛資金と近い教育費を確保したうえで、余裕資金の範囲で少額から、というのが大前提です。1株単位で買える証券会社なら、数百円〜数千円から試せます。たとえばDMM株の「つみたてかぶ」なら1銘柄1,000円から積み立てられ、NISA口座なら国内株式の取引手数料も0円なので、少額でコツコツ経験を積みたい段階に向いていると感じています(単元未満株を1株だけ指定して買う注文は取り扱っていません)。
始める前に知っておきたい注意点
✔ 近い教育費を値動きのある投資に全額回さない。数年以内に使うお金は、相場の下落と使う時期が重なる可能性があります。元本の動きが小さい預貯金などで確保するのが安心です。
✔ 投資は元本割れの可能性があります。NISA口座であっても価格変動リスクはなくなりません。生活防衛資金を手元に残し、余裕資金の範囲で行うことが基本です。
✔ iDeCoは原則60歳まで引き出せません。教育費や住宅費など「数年以内に使う可能性のあるお金」をiDeCoに入れるのは避けましょう。あくまで老後資金の枠として活用します。
✔ 無償化・支援制度は世帯年収や進路で変わります。高校の就学支援金や大学の修学支援新制度などは要件があるため、ご自身の世帯で対象になるか、最新情報を確認してください。
焦らず始める、備えの第一歩
「何から手をつけよう」と迷ったら、次の順番で整えていくのが無理がないと感じています。一度に全部やろうとしないことが、続けるコツだと思います。
- 現在の貯金を「生活防衛資金・近い教育費・それ以外」にざっくり仕分けする
- 長女が18歳になる頃までに、大学初年度の費用としていくら準備したいか目標額を決める
- 目標額と残り年数から、毎月の無理のない積立額を逆算する
- 遠い教育費はNISAで、老後資金はiDeCoで、口座と目的を分けて始める
- 家計に余裕が出たら、成長投資枠で配当株などに少額から触れてみる
老後資金を教育費と分けて着実に積み立てる第一歩として、iDeCoの資料を取り寄せておくのもおすすめです。申し込みから運用開始まで1〜2か月ほどかかるので、「考えてみようかな」と思ったタイミングで動いておくと、家計を見直す良いきっかけになります。
そして、配当・成長を狙う一部の資金を少額から育ててみたい場合は、「つみたてかぶ」で1銘柄1,000円から積み立てられるDMM株のような証券会社を検討してみるのも一つの方法です(単元未満株を1株だけ指定して買う注文は取り扱っていません)。あくまで余裕資金の範囲で、自分のペースで始めてみてください。
まとめ
子ども1人の教育費は、すべて公立で約850万円、進路によっては2,000万円を超えることもあります。ただしこれは18年かけて少しずつ払っていくお金で、最大の山は大学進学時。だからこそ「総額」に怯えるより、「いつ・いくら必要か」を逆算することが大切だと感じています。近い教育費は預貯金やNISAで、遠い教育費はNISAで長期・分散、老後資金はiDeCoで別建てに——役割分担で整えれば、必要以上に焦らず、家族の未来に向けた準備を進められます。まずは貯金の仕分けと目標額の設定から、一歩ずつ整えていきましょう。
※本記事の内容は2026年8月20日時点の情報です。教育費の金額は各種公的調査をもとにした概算の目安であり、地域・進路・学校外活動費等により大きく変動します。手数料・商品ラインナップ・税制・各種支援制度・キャンペーン等の最新条件は、必ず公式サイトおよび文部科学省・金融庁等の公的機関の情報をご確認ください。投資は元本割れの可能性があり、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。